胃がん

▼ 胃がんの特徴

胃がんとは、胃壁の内側にある粘膜に発生するがんのことです。

胃がんは、内側から徐々に外側へと広がっていきます。多くの日本人が、患う可能性のあるがんといわれています。

胃がんの割り合いは、男性は 9人に 1人が、女性は 18人に 1人が診断されています。

かつては死亡数 1位の胃がんでしたが、いまでは早期発見ができれば、ほとんど治る病気とされています。

▼ 胃がんの初期症状

胃がんには、どこかが痛むことや、腫れがあるという自覚症状がありません。
大事なことは、定期的にがん検診を受けることにあります。

がんの進行により、長期にわたり吐き気や嘔吐、食欲不振、胸やけや、みぞおちの辺りが痛むなどの症状が出る場合もあります。胃炎や胃潰瘍の可能性もありますので、体に異変が起きていたら、医師に相談しましょう。

▼ 胃がんになる主なリスク要因

胃がんの原因については、多くの研究が行われており、いくつかの要因が指摘されるようになりました。
中でも、発生のリスクを高めるといわれているのが、喫煙や食生活などの生活習慣や、胃がんの危険因子のひとつとされている「ヘリコバクター・ピロリ菌」の持続感染などです。

食生活については、塩分の多い食品の過剰摂取や、刺激物の過剰摂取など、胃に負担をかけるような場合には、注意が必要です。また、野菜、果物の摂取不足なども指摘されています。

✓ 注意すべき行動

・塩分の摂りすぎ
・喫煙
・多量の飲酒

▼ 胃がんのステージ分類

胃がんのステージ(病期)分類は、胃壁にある胃がんが、どの深さまで進んでいるか(T…深達度)、またどこのリンパ節まで転移しているか(N…リンパ節転移の広がり)を目安として、総合的に判断しています。

病期は 8つに分けられており、早期の胃がんから末期の胃がんまでを、
ⅠA→ⅠB→ⅡA→ⅡB→ⅢA→ⅢB→ⅢC→Ⅳの順で判断しています。

ⅠAとⅠBは、治る可能性が極めて高い病期ですが、Ⅳは胃がんが進行して、他の臓器に転移した状態ですので、現在の医学では完全に治すことが難しい病期です。

▼ 胃がん検診を受けましょう

胃がん検診の対象年齢は、50歳以上(胃部X線検査については40歳代に対し実施可)です。費用は、実施機関、検査の種類にもよりますが、約10,000~20,000円のようです。

市区町村が実施しているがん検診の場合には、検診費用の補助がありますので、概ね1,000円前後で受けることができます。

胃がん検診は、胃部内視鏡検査(胃カメラ)と胃部X線検査(バリウム)の2つの方法があります。

  メリット デメリット
胃部内視鏡検査
  • X線検査よりも早期で小さい胃がんを発見できる
  • 胃がんを疑った場合には組織を採って診断を確定できる
  • すべての胃がんを診断できない(内視鏡にも死角がある)
  • 組織検査による出血や麻酔によるアレルギー反応の危険がある
胃部X線検査
  • 胃の粘膜表面だけでなく粘膜の下や胃の外の病変も診断できる
  • 近くの保健センターや公民館等でも受けることができる
  • すべての胃がんを診断できない
  • 高齢者や腸に病気のある人は、バリウムが排出されず、治療が必要になることがある
  • 放射線被ばくがある

がん検診の目的は、がんを早期に発見し、適切な治療を行うことによりがん死亡率を減らすことです。

がん検診は、全てを発見できるというものではありませんが、検診自体の精度は高くなってきております。

がんという病気は、他の細胞よりも成長速度が早く、無限に増殖していきます。発見が遅れてしまうと、治療できない可能性もあります。
自身の体を守るためにも、定期検診を欠かさずに受けましょう。

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