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内視鏡外科手術とは?小さな切開で回復を早める手術技術

更新日2024.02.16

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▼ 内視鏡外科とは?

小さな切開口や体内の自然な開口部を通して行われる外科手術の一種のこと

内視鏡外科では、内視鏡と呼ばれる薄いチューブ状の器具を使用します。この内視鏡には光源とカメラが装備されており、医師はこれを使用して体内の映像をモニター上に映し出し、精密な手術を行います。

内視鏡外科手術の最大の特徴は、従来の開腹手術に比べて患者さんの身体への負担が少ないことです。小さな切開口から行うため、出血が少なく、術後の痛みも軽減され、回復も早い傾向にあります。また傷跡も小さくなるため、美容的な面でも利点があります。

【対象部位・対象疾患】

  • 胆石症…腹腔鏡下胆嚢摘出術
  • 自然気胸…胸腔鏡下手術
  • 胃がん…内膜にがんの病巣が限局している場合は内視鏡的粘膜切除術(EMR)、
        粘膜下のがん病巣には内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)
  • 大腸がん
  • 肺がん
  • 乳がん
  • 甲状腺がん
  • 肝臓がん
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▼ 内視鏡外科の手術

腹腔鏡手術(ラパロスコピー)

腹部の手術に用いられ、胆嚢摘出や虫垂切除、婦人科手術などに使われます。

胸腔鏡手術(トラコスコピー)

胸部の手術に用いられ、肺や食道の手術に適用されます。

関節鏡手術

関節の手術に用いられ、特に膝や肩の手術に使われます。

内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)

胆管や膵管の疾患を診断、治療するために用いられます。

内視鏡外科手術は、その精密さと患者さんへの負担の少なさから現代の外科治療において、ますます重要な役割を担っております。技術の進歩により対象となる疾患の範囲も広がりつつあり、患者さんにとってより良い治療選択肢として広く知られるようになりました。

▼ 内視鏡外科のメリット

内視鏡外科手術は、最小侵襲手術(Minimally Invasive Surgery, MIS)の一形態であり、従来の開腹手術に比べて様々なメリットを提供します。内視鏡外科の主な利点には以下のようなものがあります。

  1. 小さな切開口
    内視鏡外科手術は、数ミリメートルから数センチメートルの小さな切開口を介して行われるため、大きな傷跡が残りにくく、美容的な観点からも好ましいと言えます。
  2. 痛みの軽減
    小さな切開口を用いることで手術後の痛みが大幅に軽減されます。これにより患者さんの快適性が向上し、痛みに対する薬の必要性も減少します。
  3. 回復時間の短縮
    小さな切開口と痛みの軽減は、患者さんの回復時間を短縮します。多くの場合、入院期間が短くなり日常生活や仕事への復帰も早くなります。
  4. 出血の減少
    内視鏡を用いることで手術中の正確な操作が可能になり、出血を最小限に抑えることができます。これにより輸血の必要性が減少するため、手術の安全性が向上します。
  5. 感染リスクの低減
    小さな切開口は感染リスクを減少させます。また手術中の滅菌条件を厳密に管理することで、感染の可能性が一層低減されます。
  6. 臓器損傷のリスク低減
    内視鏡手術では、正確な操作が可能であり、周囲の健康な組織や臓器への損傷リスクが低減されます。
  7. 機能回復の早期化
    手術後の痛みや損傷が少ないため、患者さんは早期に日常生活の活動を再開できます。これは、特に関節や消化器系の手術において機能回復を早める効果があると言われております。

▼ 内視鏡外科のデメリット

内視鏡外科手術は多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットや考慮すべき点もあります。これらは手術の種類や患者の状態、または手術を行う施設の設備や専門知識によって異なります。

  1. 技術的要求が高い
    内視鏡外科手術は高度な技術を要求され、経験豊富な医師による精密な操作が必要です。熟練した医師が不足している地域では、この手術を受けるのが難しい場合があります。
  2. 手術時間の延長
    従来の開腹手術に比べて、内視鏡手術は手術時間が長くなることがあります。これは、狭い空間での精密な操作が必要になるため、手術時間の延長が患者に与える影響を考慮する必要があります。
  3. 限定された視野
    内視鏡を用いた手術では手術部位の視野が限定されるため、広範囲にわたる手術や予期しない状況への対応が難しい場合があります。
  4. 機器関連の合併症
    内視鏡や手術用器具の不具合により、稀に機器関連の合併症が生じる可能性があります。これには機械的な故障や操作ミスによる組織損傷などが含まれます。
  5. コストの問題
    最新の内視鏡機器や手術器具は高価であり、手術にかかる費用が従来の手術よりも高くなる可能性があります。これは患者の経済的負担や医療施設の設備投資に影響を及ぼすことがあります。
  6. トレーニングと継続教育の必要性
    内視鏡手術を安全かつ効果的に行うためには、医師や手術チームに対する専門的なトレーニングと継続的な教育が必要です。これには時間と資源がかかります。
  7. 手術後の合併症
    任意の外科手術と同様に内視鏡外科手術後にも合併症が生じるリスクがあります。これには感染・出血、または手術部位の問題などが含まれますが、手術方法による特有のリスクも考慮する必要があります。

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